最初に言っておきますが、私はアマチュアであり、これはあくまで趣味でやっているので、はっきりいって邪道です。しかしながら、本来音楽は、これが正解なんだという考え方は、私はあまり好きではありません。今回の曲調では、どう考えたって、理論は後付けです。だって、石橋をたたいて渡るなんて、ぜんぜんワイルドじゃないじゃないですか。
橋が壊れて、それでも、どうしても向こう岸へ渡りたいなら、
濡れたっていいじゃないですか。
ですから、これはあくまで「こんな人の」記録として読んでいただいて、もし部分的に参考に出来るところがあれば、ぜひそれを発掘して、持ち帰っていただければ、これ以上の喜びはありません。
<作り始めは詩から>
歌のコンセプトは「これまでのいろんな出来事がぐるぐる頭の中を回って、そのうち溢れ出して、しまいには地球の周りをぐるぐる回って、いつまでも回っていて、地球がコマのように回って、すると、コマが壊れてしまわないかな。」と言った感じの詩からはじめました。
・・・つまり、大まかな構想は早い時期からあったので、その詩を修正しながら曲を作りました。
<歌のメロディー作りと歌詞の修正>
まず、一般的に繰り返しの言葉は、曲中あまり盛り込むのは適切とは言えないのですが、歌の冒頭だったらどんな風になるだろうかと、ためしに入れてみたら、偶然リズムと「舌」をあわせることが出来て、よしとしました。
けれど、詩を改造しながら曲作りをしていくのは、めったにすることではありません。言葉を置き換えたり足したり削ったりする作業は、作曲の途中ではありうることですが、それを繰り返すと、伝えたいことがぶれてしまいがちで、何度となく後戻りをしてしまいます。楽曲の趣旨が固まっていたのなら、あまり上手なやり方とは言えないと思います。
<曲を練る>
FL Studioに内蔵されているFL key,FL Slayer、それと、ドラムシミュレータのFPSを軸に、リズムとフレーズを積み上げていきます。実は、これが今回の裏のコンセプトと言うべきものでした。
FL StudioのギターアンプシミュレータであるFL Slayerは、使い始めたときはなかなか思った音色が出せずにいて、使えねえ~なんてことがよくあると言う話を聞いたことがあり、そんな評判の悪さに内心反発していて、
「はたしてそうだろうか、確かに最初はとっつきにくいかもしれないが、試行錯誤すればきっと理想に近い音色が出せるはず、シミュレータなんだから。」・・・と、あえて他の音源を選ばないことに決めていたのでした。(最終的には、そのおかげで、ロックらしいけどロックじゃないかもしれない面白いものが出来たわけです。結果オーライですか)
フレーズの塊が出来ると、歌の1番、つまりだいたい半分までのところで、歌を合わせていきます。これは、曲の途中で変調していく必要の有無を確認するためです。 と同時に、今回はその楽器の音をあれやこれやして、曲に合うような音、どうにか聞くに堪えうる音を模索していきました。
伴奏編曲の過程で、ピアノシミュレータであるFL Keyがアルペジオなしのコード単音符長になったのも、どうにかしてFL Slayerの栄えのある演奏を作りたいがために、引き立て役に留めたせいです。そのかわり、イントロや間奏など、盛り上げるときにはチョコっと綾をつけたつもり。
<隠し技>
歌を最初にあわせる時、苦労したのが、歌手の「が」の発音が、どうしても子音が強くなり「がはー」と、母音を引き摺る息を吐く音がノイズのように聞こえてしまいます。これを解決するため、ハンドクラップを使いました。すると、暗い曲調の途中に緊張感を与えて、流れが平坦になるのを抑えることが出来ました。
<曲の主題への繋ぎ>
この楽曲のメインイベントともいえる、後半部の「ああーっ」と伸ばすところへのつなぎ方は、最初のうちはメロディーが違うものにするつもりでしたが、どうやってもしっくりいかなく、苦し紛れに、前半部と同じコードにした上で、それに合わせるように歌(この場合、Vocaloid Editorのノート)をまとめてドラッグアンドドロップして上げたり下げたりすると、なんとか現在のかたちになり、うまくつなげることができました。
<仕上げ>
ここまでくると、ほぼかたちとしては完成です。何度も聞きなおし、不協和音になっていないか(実際には聞き逃すか、気づいてもあえてそのままにして下手に直さないことがたまにありますが)、聞いていて違和感のあるところはないかチェックします。
と同時に、伴奏で使用した楽器の音色を少し調整しながらまた聞きなおし、これを何度も繰り返して、ようやく次のステップに進みます。
この
- 作詞作曲編 のあと
- FL Studio編
- VOCALOID編
- 動画編
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